ㅎ不規則活用は語幹のパッチムが脱落する形容詞の活用なのですが、「ㅎ」のあとに「-(으)」がつくときは、「ㅎ」も「으」も脱落し、「-아/-어 」がつく場合には母音が合成母音になるというなかなか複雑な活用です。
ㅎ不規則活用とは
1、基本の活用
語幹末がパッチム「ㅎ」の形容詞に「-(으)」や「-아/-어 」がつく活用のときはパッチム「ㅎ」が脱落します。ただし、「-아/-어 」がつく場合には、語幹末の母音が「ㅐ」、「ㅒ」、「ㅔ」、「ㅖ」になります。また、「ㅎ」のあとに「-(으)」がつくときは、「ㅎ」も「으」も脱落します。連体形を作るときなど、パッチムのある単語だからと「으」を残して連体形を作ってしまうことがないよう注意が必要です。
①母音が「ㅐ」に変化するもの(語幹末の母音がㅏのときにㅐに変化します)
例:까맣다「黒い」→「-(으)면」がつくと까마면「黒ければ」、「-(으)니까」がつくと까마니까 「黒いから」、「-아/-어 요」がつくと까매요「黒いです」、「-(으)ㄴ」がついて連体形になると까만「黒い~」(例 까만 가방「黒いかばん」)となります。
②母音が「ㅒ」に変化するもの(語幹末の母音がㅑのときにㅒに変化します)
例:하얗다「白い」→「-(으)면」がつくと하야면「白ければ」、「-(으)니까」がつくと하야니까「白いから」、「-아/-어 요」がつくと하얘요「白いです」、「-(으)ㄴ」がついて連体形になると하얀「白い~」(例 하얀 색「白い色」)となります。
③母音が「ㅔ」に変化するもの(語幹末の母音がㅓのときにㅔに変化します)
例:누렇다「(やや濃いめに)黄色い」→「-(으)면」がつくと누러면「黄色ければ」、「-(으)니까」がつくと누러니까「黄色いから」、「-아/-어 요」がつくと누레요「黄色いです」、「-(으)ㄴ」がついて連体形になると누런「黄色い~」(例 누런 벼「黄色い稲」)となります。
④母音が「ㅖ」に変化するもの(語幹末の母音がㅕのときにㅖに変化します)
例:허옇다「白い」※→「-(으)면」がつくと허여면「白ければ」、「-(으)니까」がつくと허여니까「白いから」、「-아/-어 요」がつくと허예요「白いです」、「-(으)ㄴ」がついて連体形になると 허연「白い~」(例 허연 입김「白い息」)となります。
※①の하얗다も「白い」という意味ですが、하얗다は真っ白という意味で、허영다はやや濁った感じの白を表現するときに使います。
⑤語幹末の母音が「ㅓ」でも母音が「ㅔ」に変化しないもの
이렇다「こうだ」、그렇다「そうだ」、저렇다「ああだ」、어떻다「どうだ」は語幹末の母音がㅓですが、「ㅎ」が脱落したあと母音は「ㅔ」にはならず、「ㅐ」になります。
例:그렇다「そうだ」→「-(으)면」がつくと그러면면「そうなら」、「-(으)니까」がつくと그러니까「そうだから」、「-아/-어 요」がつくと그래요「そうです」、「-(으)ㄴ」がつくと그런「そんな」となります。
基本の活用の単語は까맣다「黒い」、꺼멓다「真っ黒い」、하얗다「白い」、허옇다「白い」、노랗다「黄色い」、누렇다「(やや濃いめに)黄色い」、빨갛다「赤い」、파랗다「青い」、퍼렇다「(やや濃いめに)青い」など色を表す語、이렇다「こうだ」、그렇다「そうだ」、저렇다「ああだ」、어떻다「どうだ」など指し示す働きをもつ語があります。
2、語幹末に「ㅎ」が入ってもㅎ不規則活用にならない単語
語幹末が「ㅎ」でも좋다「よい」は規則的に活用し、「-(으)면」がつくと좋으면「よければ」、좋아요「いいです」、「-(으)ㄴ」がついて連体形になると좋은「いい~」(例 좋은 사람「いい人」)となります。많다「多い」、 싫다「嫌いだ」、괜잖다「大丈夫だ、結構だ」も同様です。
また、넣다「入れる」、 쌓다「(物を)積む」、놓다「置く」、낳다「生む」、찧다「(穀物などを)つく、打ち下ろす」などの動詞も規則的に活用します。
ㅎ不規則ポイント
ㅎ不規則の難しいところは母音の変化ですが、「ㅔ」と「ㅖ」に変化するものはあまりないので、「ㅐ」と「ㅒ」に変化するものをまず覚えておけばいいのではないかと思います。また、이렇다、그렇다、저렇다、어떻다など指し示す働きがある語は「ㅎ」が脱落したあと母音は「ㅔ」にはならず、「ㅐ」になるところも大切ですね。規則活用する単語はそう多くないので暗記し、動詞はㅎ不規則にならないと覚えておくのも大事なポイントです。
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