みなさん、こんにちは。
お勧め韓国ドラマ第2回目は韓国のサラリーマンのバイブルと称されたWEBコミックが原作のヒューマンドラマ「ミセン(미생)」です。
視聴率はケーブルテレビでは異例の10.3%を記録、名だたるドラマ賞を総なめにし「ミセンシンドローム」という言葉も生み出したほどの話題作。
上司・部下・正社員・契約社員・キャリアウーマンなどさまざまな立場で働く人々の物語を深く描いた名作です。
「ミセン」あらすじ
プロの将士を目指していたが父の死で夢を諦め、家計を助けるためにアルバイトをしていたチャン・グレ(イム・シワン)は、母のツテで総合商社ワン・インターナショナルのインターンになる。
グレの同僚たちは皆高学歴。英語以外の言語も話せるのは当たり前のエリート揃いだ。
高校卒業程度の学歴しかなく社会人経験がほとんどないグレは、海外からかかってきた電話にまったく対応できず、コピーのとり方すらわからない。
そんなグレに同僚たちは戸惑いと苛立ちを覚える。
グレが配属された営業3課のオ課長(イ・ソンミン)はグレを無能だと評価し、グレの指導役のキム代理(キム・デミョン)はグレに「26歳まで何してた。できることが1つもない」と厳しい言葉を投げつける。
営業3課は多忙な上に人手不足。オ課長もキム代理もほとんどオフィスにおらず、グレは仕事を教えてもらうことすらできなかった。
また、グレが学歴のないコネ入社だとわかると、同期はグレを阻害し、グレは孤立する。中には露骨に嫌がらせをするものもいた。
同僚たちとの社会人としても実力の差に圧倒されるグレ。
しかし、お前の売りは何だと聞かれて「努力です。ピカピカの新品です」と言い切るグレは決して諦めない。
囲碁で培った並外れた記憶力と集中力、分析能力、勝負師としての強みを発揮して努力を重ね、入社審査のプレゼンに合格し2年間の契約社員の座を勝ち取る。
インターンのときに配属されていたと営業3課に再び配属されたグレにオ課長は言う。
「とにかく踏ん張れ。踏ん張った者が勝つ。いつか完全に生きられるからだ。囲碁用語で“未生(ミセン 미생)”と“完生(ワンセン 왕생)”がある。俺たちはまだ弱い石=ミセンだ」と。
グレの入社後営業3課は幹部からの圧力、社内のパワーゲーム、不法な接待、賄賂や裏取引の不正などのさまざまな問題に直面していくが、グレは度重なるチームの危機を解決し、オ課長とキム代理から信頼と評価を得てチームの結束感を高めていく。
一方、前途有望だと思われたグレの同期たちもグレと同様会社という戦場で闘っていた。
紅一点のアン・ヨンイ(カン・ソラ)は入社早々大口の契約を取り付けるほどのやり手だが、正社員として配属された資源2課では男性上司から疎まれ、まともな仕事を与えられずにいた。
幼いころから周囲よりもできる人間として扱われたためエリート意識が極めて高いチャン・ベッキ(カン・ハヌル)。鋼鉄課に配属されるが基本的な業務しかやらせてもらえず、活躍するチャン・グレを密かに嫉妬していた。
お調子ものだが仕事ができるハン・ソニョル(ピョン・ヨハン)は、同じ繊維課の先輩に仕事を押し付けられ、成果は横取りされ、何度も仕返しを試みるが失敗してしまう。
やがて2年が過ぎ、グレの契約終了期間が迫る。
グレはどう頑張っても正社員にはなれないとわかっていたが、新規の企画を立てるなど奮闘していた。
どんなときも諦めず真面目に熱心に仕事に取り組むグレの姿を見て他の課の同僚や上司たちも少しずつ心を動かされていき、グレの周囲の人々はグレが正社員になれるように動き始める……。
ミセンの魅力
主人公チャン・グレの静かな情熱とやさしさ
どんなに辛い状況でもグレは誰かのせいにはしません。自分の努力が足りなかったからと考え、淡々と自分にできることを探し、進み続けます。そんなグレの姿を見ているととても励まされます。
後半、グレが活躍するシーンでは胸がスカッとしました。
チャン・グレ役のイム・シワンの演技も素晴らしいです。
セリフを言っていないときの表情だけでグレの気持ちがストレートに伝わってくるのが感動的でした。
イム・シワンを初めて見たのは「太陽を抱く月」というドラマです。ものすごい美少年という設定の役で本当にきれいな顔をしているなと思ったのですが、ミセンでのイム・シワンはきれいな顔が目立たないんです。それほど見事にチャン・グレを演じ切っています。
物語の終りごろにチャン・グレの後ろ姿が映し出されるのですが、その後ろ姿を見ただけでグレの気持ちが痛いほど伝わってきます。
後ろ姿だけで主人公の気持ちを表現するこの演出も素晴らしいと思いました。
実在するのではと思えるほど生き生きとした登場人物たち
主人公のチャン・グレを始め、「ミセン」に登場する人たちはとてもリアルで魅力的です。
不正は絶対に許さない正義感を持ち、ぶっきらぼうだけど情に厚いオ課長。
後輩思いでオ課長を心から慕っているキム代理。
上司に罵倒されても逃げず、卑屈さもなく男社会で闘い続けるアン・ヨンイ。
冷たさの漂うエリートだが、社会にもまれ、挫折を体験することで人間的に魅力を増していくチャン・ベッキ。
お調子ものでずるいところもあるが、現場で働く弱い立場の人々を守ろうという熱い情熱を秘めているハン・ソンニュル。
役者さんたちの演技も素晴らしく、韓国の商社って本当にこんな感じなんじゃないかなと思うほどリアルです。
人生の道しるべになってくれるたくさんの名台詞
「飛び込むだけが勇気じゃない。飛び込みたい誘惑に耐えて自分の道を進む勇気。逆流が起きても動じてはならない。自分の流れを守ることが相手への逆流となる。自分の流れを守る姿勢こそが最高の防御となり攻撃となるのだ」というチャン・グレの台詞のように、「ミセン」には岐路に立ったとき、どうしていいかわからないとき、道しるべになってくれる宝石のような台詞がたくさん散りばめられています。
私は「一生懸命でなかっただけだ、僕は手を抜いたから捨てられたんだ。…そうじゃないと辛すぎる」というチャン・グレの台詞も好きです。
「心を閉じた人に思いを伝える方法は学校の勉強じゃ教わらなかった。だから、がむしゃらにやってみることにしたの」というアン・ヨンイの台詞もカッコいいです。
「今でも君と僕の時間が同じとは思っていない。それでも…また明日」というチャン・ベッキの台詞にもジーンときました。
まとめ
私は「ミセン」を観ていて何度も泣いたのですが、とくにチャン・グレの同期のハン・ソンニュルがチャン・グレを正社員にするために社内の掲示板に書いた文が読み上げられるところでは感動で涙が止まりませんでした。
「ミセン」は主人公を始めとする登場人物たちを応援しながら夢中で観て、観終わった後勇気と元気をもらえる。そんなドラマです。
「내일(ネイル:明日という意味)」という題名の挿入歌もすごくいいのです。
ドラマにピッタリ合っているし、メロディーを聴いているだけで癒されます。
「ミセン」はアマゾンプライムでも視聴できます。この記事を書いている2022年4月21日現在は一話以外は有料ですが、期間によっては無料で見られることもありますので、ぜひチェックしてみてください。
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