音が濁るように聞こえる有声音化やパッチムと母音をつなげて発音する連音化までは何とか理解できたのですが、えっ、わからないと焦ったのが鼻音化です。
ハングルを学習してから6年たった今でも「あれれ? どう発音するんだっけ」と思うことがあるなかなか手ごわい発音変化ですが、発音をしやすくするために変化していると考えると覚えやすくなると思います。
鼻音化とは口音のパッチム「ㄱ、ㅋ、ㄲ、ㅂ、ㅍ、ㄷ、ㅅ、ㅆ、ㅈ、ㅊ、ㅎ、ㅌ」のあと鼻音「ㅁ、ㄴ」の子音が続くとパッチムが鼻音(鼻にかかったような音)になることをいいます。
鼻音化の法則
「ㄱ、ㅋ、ㄲ」(k型パッチム)に「ㅁ、ㄴ」が続くと「ㄱ、ㅋ、ㄲ」は鼻音「ㅇ」に変化する
(例)
子音字の種類 | 単語 | 読み方 | 意味 |
ㄱ | 작년 | 장년(チャンニョン) | 昨年 |
읽는 | 잉는(インヌン) | 読んでいる | |
식물 | 싱물(シンムル) | 植物 | |
적네요 | 정네요(チョンネヨ) | 少ないですね | |
국물 | 궁물(クンムル) | 汁、スープ | |
기억녁 | 기엉녁(キオンニョク) | 記憶力 | |
백만 | 뱅만(ペンマン) | 100万 | |
막내 | 망내(マンネ) | 末っ子 | |
국내 | 궁내(クンネ) | 国内 | |
착육 | 창육(チャンニュク) | 着陸 |
「ㅂ、ㅍ」(p型パッチム)に「ㅁ、ㄴ」が続くと「ㅂ、ㅍ」は鼻音「ㅁ」に変化する
(例)
子音字の種類 | 単語 | 読み方 | 意味 |
ㅂ | -입니다 | 임니다(イムニダ) | ~です |
입문 | 임문(インムン) | 入門 | |
ㅍ | 앞날 | 암날(アムナル) | 後日、未来 |
「ㄷ、ㅅ、ㅆ、ㅈ、ㅊ、ㅎ、ㅌ」(t型パッチム)「ㅁ、ㄴ」が続くと「ㄷ、ㅅ、ㅆ、ㅈ、ㅊ、ㅎ、ㅌ」は鼻音「ㄴ」に変化する
(例)
子音字の種類 | 単語 | 読み方 | 意味 |
ㄷ | 받는 | 반는(パンヌン) | もらう(連体形) |
ㅅ | 옛날 | 옌날(イェンナル) | 昔 |
훗날 | 훈날(フンナル) | 後日 | |
거짓말 | 거진말(コジンマル) | うそ | |
ㅆ | 있는 | 인는(インヌン) | ある |
ㅊ | 불꽃놀이 | 불꼰놀이(プルコンノリ) | 花火大会 |
벚꽃놀이 | 벋꼰노리(ポッコンノリ) | 花見 |
漢字語(元々漢字で存在している単語をハングル文字に置き換えて作ったもの)では、「ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅁ、ㅇ」の音になるパッチムの直後にㄹがくると、ㄹがㄴになり、「ㄱ、ㄷ、ㅂ」はそれぞれㄱ→ㅇ、ㄷ→ㄴ、ㅂ→ㅁに変化する
①「ㅇ」パッチムの直後に「ㄹ」がきて、「ㄹ」が「ㄴ」に変化する単語の例
例 대통령(大統領)は表記どおりに発音すると「テトンリョン」となるが、 「ㅇ」の直後に「ㄹ」がきているので、「ㄹ」が「ㄴ」に変化し、[대통녕](テトンニョン)と発音変化する。
同じ法則で変化する単語には 종류(種類)[종뉴](チョンニュ)、정류장(停留場)[정뉴장](チョンニュジャン)などがある。
②「ㅁ」パッチムの直後に「ㄹ」がきて、「ㄹ」が「ㄴ」に変化する単語の例
例 심리 (心理)は表記どおりに発音すると「シムリ」になるが、「ㅁ」パッチムの直後に「ㄹ」がきて、「ㄹ」が「ㄴ」に変化し、[심니 ](シムニ)と発音変化する。同じ法則で変化する単語には음력(陰暦)[ 음녁](ウムニョク)などがある。
③「ㄱ」パッチムの直後に「ㄹ」がきて、「ㄹ」が「ㄴ」になり、変化した「ㄴ」の影響で「ㄱ」が「ㅇ」になる単語の例
例 독립(独立)は表記どおりに発音すると「トクリプ」となるが、「ㄱ」の直後に「ㄹ」がくるので「ㄹ」が「ㄴ」になり、変化した「ㄴ」の影響で「ㄱ」が「ㅇ」になるので[동닙](トンニプ)と発音変化する。同じ法則で変化する単語には국력(国力)[궁녁](クンニョク)、식량(食糧)[싱냥](シンニャン)、면역력(免疫力)[ 며녕녁](ミョニョンニョク)などがある。
④「ㅂ」パッチムの直後に「ㄹ」がきて、「ㄹ」が「ㄴ」になり、変化した「ㄴ」の影響で「ㅂ」が「ㅁ」に変化する単語の例
例 협력(協力)は表記どおりに発音すると「ヒョプリョク」となるが、 「ㅂ」の直後に「ㄹ」がきて、「ㄹ」が「ㄴ」になり、変化した「ㄴ」の影響で「ㅂ」が「ㅁ」になるので[혐녁](ヒョムリョク)と発音変化する。同じ法則で変化する単語には법률(法律)[범늉](ポムニュル)、금료(給料)[금뇨](クムニョ)などがある。
まとめ
鼻音化の法則と具体例について書いてみましたがいかがでしょうか。
私は「できる韓国語」シリーズを使って勉強しているのですが、このテキストには発音変化がある単語は意味の横に発音記号が書かれているので、その都度単語の読み方を暗記するようにし、そのあとどんな法則で発音変化しているか確認するようにしています。
ハングル検定のテキストにも発音変化する単語について触れられていたので、覚えるようにしました。
今はハン検2級用の勉強で「合格トウミ 上級」をやっているのですが、音声ペンで単語の発音を確認していって特殊な発音をするものは単語の横に読み方を書いておいたりしています。
鼻音化はとくに複雑で覚えられない、どうしようと思ってしまいますが、出てきたらその都度何度も発音して覚えるということで大丈夫だと思います。
この記事でも鼻音化する単語例を挙げているので、ぜひ活用してみてください。
鼻音化する単語を何度も発音していると、新しく鼻音化する単語に出会ったときももしかしてこれは見た通りの発音じゃないかもしれないと少しわかるようになりますよ。
この記事が私のように鼻音化が難しくて勉強がきついと思っている皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
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